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「常総の歴史」最新号。
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2009/03/04
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関東の春は、南岸低気圧の通過による雪を乗り越えてこそ訪れますね。暖冬の後の寒さはこたえますが、まもなくサクラも拝めるでしょう。
小社の茨城営業所(石岡市)で編集・製作している「常総の歴史」は1987年の創刊で年2回刊行。A5判、112ページ、定価1,100円(税込み)基準の定期刊行誌です。その最新38号が出来上がりました。「舟塚山古墳」を特集しています。主な目次を紹介しましょう。
・舟塚山古墳とその問題点…大塚初重(明治大学名誉教授)
・舟塚山古墳群の概要…川崎純徳(茨城県考古学協会会長)
・大型古墳群の出現と舟塚山古墳…諸星政得(取手市文化財保護審議会会長)
他に瓦吹 堅、萩野谷 悟、塩谷 修の各氏が執筆しています。ご注文は、流山でも受け付けております。なお、バックナンバーは創刊号のみ品切れです。どうぞよろしくお願いします。
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わが内なる「ファシズム」考
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2009/02/18
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春がまもなく到来というのに世相は重苦しい。「派遣切り」のような突然の書店の店仕舞いもある。迷走する政権には、ついに「酩酊する」大臣も出てしまった。国会にアルコール検知器を設置してはどうか、などと苛立つのも、わが内なる「ファシズム」の現れか、などと思うのである。
この正月以来、経済恐慌や昭和史についての新書を読みまくっている。職場でも読書談義は「新書合戦」状態である。私たちの世代が初めて経験する空前の社会的危機・変動に、新書は格好の舞台を提供してくれている。本来なら総合誌の出番であったのだろうが、もはやその面影はない。
「歴史は繰り返す」、この言葉を読めば読むほど痛感する。もちろん全く同じではない。しかし読めば読むほど、この言葉の深みを感じる。下克上の言動が著しい(いくら問題のある発言でも現首相を元首相が笑いものにするのか)。「金融危機」だというのに担当大臣と補佐の官僚が機能しない(昭和2年にはそれで取り付けが始まったのではなかったのか)
そういういちいちに己が怒れば、「規律と排除」を求める自分を発見する。それはおそらく「ファシズム」への道ではないのか、などと自問する。そして読めば読むほど、求めた者が最終的にはそれに一番苦しめられる、というのが歴史の教えるところだ、ということを理解する。一、二年前「戦争」を求める若者が話題になったが(その考えは現在も生きているだろう)、今度は「ファシズム」を求めるオジさんが出るのだろうか。
というようなことがリアリティを持って考えられ、語られる状況と時代なのである。よくよく考えられねばならない、と思う。新書をはじめ材料は沢山ある。いろいろな場所といろいろな人たちとの間で議論されることが大事だ。
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新刊案内です。
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2009/01/21
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冬型の気圧配置が崩れはじめました。寒の内ですが、そこここに春の気配がほんの少し垣間見えます。では、新刊のご案内をいたします。
*書名 みりんの香る街 流山ー根郷と宿(ねごうとしゅく)
*著者 青木更吉
*判型・頁 四六判・260ページ
*定価 2100円(本体2000円+税)
*コード ISBN978-4-8455-1148-8
*内容 私は流山に住んで45年になる。新住民がその土地の歴史を書くのをおこがましいという思いが少々はあるが、新住民だからこそ書ける面もあろう。もちろん、土地っ子だから書ける面もある。これは狭い範囲(根郷と宿)に限定した歴史の本。硬い歴史でなく、軟らかい読み物にしたので、中高生をはじめ、一人でも多くの人に読んで頂けたら嬉しい。・・・「著者からひと言」より
本書の著者、青木更吉さんは小社から『小金牧 野馬土手は泣いている』(シリーズで他に4冊)を刊行されていますが、1月13日付の日本経済新聞文化面に「徳川の放牧場夢の跡―土地開発で崩される野馬土手の記録を書き継ぐ」という文章を書かれています。「野馬土手は江戸時代の大切な文化遺産であるにもかかわらず、はっきり目に見える建築物などと異なり、その価値が分かりにくい。遺跡と違って掘り返しても、何か貴重なものが出てくるわけではない。だから軽視されがちで、多くの人たちが気づかないうちに開発の波にのみこまれる」として、「地域の貴重な遺産の存在とその危機を調査を通じて少しでも多くの人に伝えたいと願っている」としています。本書も変貌する流山旧市街地の暮らしの歴史を聞き書きを交えて描いており、若い人たちに語り伝える貴重な仕事になりそうです。
1月下旬の刊行です。
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